「わたしのマンスリー日記」第10回 風にそよぐカーテン――『ありがとうMama』
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「海」
海鳥 空に浮かんで 生きている地球に手を伸ばす
浜辺で遊ぶ子どもたち お母さんが呼んでる
どうして 大好きなのに いつかは 離れるの
……? ……?
この海の浜辺で
⇒切ないですね。辛いですね。でも、これは誰も避けて通ることができない現実、宿命です。だから、命が輝いている間に一杯の「幸せ」を共有しておくことが大切です。共有できた幸せを胸の奥まで深く深く吸い込むことによって、命の灯はつながっていきます。
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そんな季節は終わり、二人の「命のエネルギー」にしばし「夢」のようで放心状態なときもありましたが、それでも母を看取ったとき、「生き切る!」ということの感動を与えてくれた尊い体験。
⇒「生き切る」ことができた人が一番幸せだと思います。私はALSを宣告されてしばらくの間、生死の淵をさまよっていました。しかし、その後「生きる」を選択しました。自分で命を絶つことも嘱託殺人を依頼することもできないとしたら、生きるしかないと覚悟を決めました。
生きるということは、前を見て歩くこと、そして何かをし続けること。そう思いました。それは自分自身に下した「生き切る!」の宣言でした。「生き切る!」とは「命ある限り何かをし続ける」ことですが、私のできることは本を書いて世の中に発信すること。
当初あと2冊は本を出したいと言っていたのですが、実際は監修1冊を入れると、最新刊の『全国水害地名をゆく』(インターナショナル新書)で5冊目となりました。なぜそこまで頑張れているのかについては、改めて書くことにします。
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望みも後悔もまだまだたくさん吹き出てきそうですが、そんな思いは、これからわたしにもやってくるであろうX-Dayまで、「命ある限り」歌に託し、両親から与えてもらった命という夢を大切にみんなのため、自分のためにがんばって生きてゆきたいと思います。
⇒私も同じ気持ちです。共に頑張りましょう!
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これからやってくる、未来がみなさんにとって「愛おしい未来」であることを、心より祈りながら、この本を閉じたいと思います。
⇒「愛おしい未来」という言葉に惹かれました。私にも「愛おしい未来」がわずかですが残されていることが実感できました。
2023年9月16日
谷川彰英
PS 桜並木でのご両親の笑顔がとても素敵です。私も笑顔を忘れないようにと、肝に銘じました。